インターネット・フリーダム「米政府とグーグル、中国のネット検閲・サイバー攻撃に強硬姿勢表明」 ロイター

http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-13315420100113

[サンフランシスコ/ワシントン 12日 ロイター] 米政府とインターネット検索大手の米グーグル(GOOG.O: 株価, 企業情報, レポート)は12日、中国でのインターネット検閲や同国を拠点とするサイバー攻撃に対策を講じる方針をそれぞれ表明した。


 オバマ政権は対中国でより強硬な路線を取る意向を示し、グーグルは中国から事業撤退する可能性を示唆した。


 クリントン国務長官のロス上級顧問は12日、ロイターに対し、中国を含む外国での検閲されていないインターネットへのアクセスを可能にすることを目的に、長官が技術政策「インターネット・フリーダム」を来週21日に発表することを明らかにした。


 その上で、「コーカサス、中国、イラン、キューバなどでは、人々は検閲されていないインターネットに自由にアクセスできない。われわれのインターネット政策は、国民の情報へのアクセスを組織的に抑圧している国が存在することへの対応でもある」と語った。


 また、長官が先週、グーグル、マイクロソフト(MSFT.O: 株価, 企業情報, レポート)、ツイッターシスコシステムズ(CSCO.O: 株価, 企業情報, レポート)などハイテク企業の幹部と会談したとも語った。


 一方、グーグルは12日、中国での検閲に加え、同社の無料電子メールサービス「Gmail(ジーメール)」を通じた人権運動家への中国拠点のサイバー攻撃が相次いでいることを理由に、同国での事業および中国語版ウェブサイト(Google.cn)の閉鎖を検討していることを明らかにした。


 最近の米中関係は気候変動、貿易などの問題で悪化している。


 今回、グーグルと米政府がそれぞれ発表した中国のネット検閲対策が、互いに協調した動きかどうかは不明だ。


 米国務省クロウリー報道官は、グーグルの発表を受け、各国がコンピューター・ネットワークへの悪意ある行為を犯罪とみなすべき、との見解を示した。


 報道官は「グーグルの決定の詳細を尊重するつもりだ。グーグルは発表前からわれわれと連絡を取っていた。悪意のあるサイバー行為の拠点がどこであれ、各国は自国のインターネットの安全を維持する責務を負っている。これには中国も含まれる」と述べた。


 グーグルによると、同社以外にも約20社が中国を拠点としたサイバー攻撃を受けているという。


 同社の説明では、ハッカーは「Gmail(ジーメール)」内の中国人人権運動家のアカウントにアクセスを試みたが、不特定のアカウント2件にアクセスしただけで、そのアカウントがいつ作成されたのかなどの情報にしかアクセスできなかった。


 グーグルは、ハッカーが他企業のどのような情報に不法にアクセスしようとしていたのか、またその当該企業の社名などについては、明らかにしていない。同社は、この問題に関して米当局と連携して取り組んでいる、としている。


 グーグルは声明で「弊社は、Google.cnの検索結果に対する検閲を続けない方針を決定した。これに伴い向こう数週間に中国政府と、法の範囲内で、たとえ合法的であったとしても、検閲をかけない形でのウェブ検索事業の運営を可能にするための基準について、協議する予定だ」と明らかにした上で、「われわれは、これにより、弊社の中国ウェブサイトの閉鎖、ひいては中国事業からの撤退につながる可能性があることを十分に認識している」とした。